「現在価値」と「将来価値」の合理性を考える

ファイナンスの基本(基礎)となる考え方が、現在価値(Present Value : PV)と将来価値(Future Value : FV)です。

ファイナンスの世界(=ビジネスの世界)では、「きょうの100円」と「1年後の100円」は同じ価値とはなりません(同じ100円ではない)。

きょうの100円:現在価値
1年後の100円:将来価値

友人同士のお金の貸し借りにおいては、きょう10万円貸して1年後に10万円返す契約は成立するかもしれませんが、ビジネスではまず成立しません。

どうすればきょうの100円と1年後の100円を同じ土俵で評価できるのでしょうか?

そこで登場するのが時間価値の概念です。

時間価値の概念とは、きょうの100円は1年後の100円よりも価値が高く、1年後の100円はきょうの100円よりも価値が安くなるという考え方で、『きょうの100円 > 1年後の100円』になります。

なぜなら、時間には価値があるからで、その価値は金利で表現されます。

1年後の100円をきょうの価値にするには、時間価値を割引かなければいけませんし、きょうの100円を1年後の価値にするには、時間価値を割増さなければいけません。

文章でまわりくどく説明するよりも、簡単な計算を交えたほうがわかりやすい。

現在価値(PV)とは、ある将来価値をきょう時点に換算した価値です。

現在価値 = 将来価値×1/(1+r)n
r:金利 n:期間

1/(1+r)n 各金利(r)の現在価値係数
期間(n) 1% 3% 5%
1 0.99 0.97 0.95
2 0.98 0.94 0.91
3 0.97 0.92 0.86
4 0.96 0.89 0.82
5 0.95 0.86 0.78

上記の表から3年後の100円の現在価値を求めると、

金利が1%なら、97円(100円 × 0.97)
金利が3%なら、92円(100円 × 0.92)
金利が5%なら、86円(100円 × 0.86)

となります。

将来価値(FV)とは、ある現在価値を将来時点に換算した価値です。

将来価値 = 現在価値×(1+r)n
r:金利 n:期間

(1+r)n 各金利(r)の将来価値係数
期間(n) 1% 3% 5%
1 1.01 1.03 1.05
2 1.02 1.06 1.10
3 1.03 1.09 1.16
4 1.04 1.13 1.22
5 1.05 1.16 1.28

上記の表からきょうの100円の3年後の将来価値を求めると、

金利が1%なら、103円(100円 × 1.03)
金利が3%なら、109円(100円 × 1.09)
金利が5%なら、116円(100円 × 1.16)

となります。

よって、

  • きょうの100円は金利3%ならば、1年後の103円と同じ価値
  • 1年後の100円は金利3%ならば、きょうの97円と同じ価値

になります。

現在価値と将来価値は異なる時間の価格(100円)を同じ土俵の上で評価できる合理的な考え方ですし、あらゆるファイナンス理論の大前提です。

実務(ビジネス)でも頻繁に使われいてます。ただし、現在価値や将来価値を使う場面で、留意しなければいけない点がありますので、次回はそこに言及したいと思います。

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